この記事で分かること
- 中小企業の採用活動を進める8つのステップ
- 採用目的・必要人数・人物像・魅力を決める順番
- 認知から応募までの接点の役割
- 入社後の定着と次の採用につなげる数値管理
採用の全体像を、8ステップと4段階でつかむ
求人を急いで増やす前に、現在どの工程まで決まっているかを確認します。経営から必要な人を考え、出会う場所を用意し、選考と入社後を設計し、結果から学ぶ。この順番を共有すると、募集のたびにゼロから考える状態を見直せます。
1. 経営・事業計画
これからどのような会社・組織をつくるかを確認する。
2. 採用計画
職種、人数、期限、配属先、理由、予算を決める。
3. 採用ターゲット
任せる仕事に合う経験、スキル、価値観を明確にする。
4. 採用USP
求職者が自社を選ぶ理由を整理する。
5. 母集団形成
認知・興味・比較・応募の接点をつくる。
6. 選考・魅力づけ
必要な能力を見極めながら、働く環境を伝える。
7. 入社・定着
入社前の確認と入社後の教育・フォローを設計する。
8. 数値分析・改善
工程ごとの数字から課題を見つけ、次の計画に戻す。
1〜4が土台、5が接点、6〜7が選考と定着、8が改善の段階です。できていない工程を確認し、前の工程から順に整えていきます。
土台:経営計画を、採用する人と仕事に落とし込む
最初に、売上目標、拠点展開、新規事業、組織体制、次世代リーダー、技術承継など、会社のこれからを確認します。採用はその未来を実現するための手段です。必要な人数だけでなく、採用した人が担う役割までつなげて考えます。
採用計画では、職種、人数、期限、配属先、採用理由、予算を書き出します。そのうえで、必須の経験と、あるとよい経験を区別し、スキル、価値観、行動特性、転職理由、キャリア志向を整理してください。「優秀な人」という曖昧な表現から、自社で活躍できる条件へ具体化します。
採用USPは、求職者から見た自社を選ぶ理由です。仕事、成長、給与、評価、働き方、人間関係、理念、将来性から整理します。人物像を決めずに魅力だけを並べるのではなく、その相手が仕事選びで知りたいことと結び付けて伝えます。
接点:認知・興味・比較・応募の役割を分ける
母集団形成とは、採用候補となる人との接点をつくることです。応募を募るだけでなく、会社を知らない人に知ってもらい、働く場所として興味を持ってもらう過程も含みます。
| 求職者の段階 | 用意する接点 |
|---|---|
| 認知:まだ会社を知らない | SNS、動画、イベント、学校との接点 |
| 興味:会社を知り始める | 採用サイト、LP、社員インタビュー、採用動画 |
| 比較:応募先として検討する | 求人媒体、求人ページ、人材紹介、企業情報 |
| 応募:行動に移す | 分かりやすいフォーム、スマホ対応、応募後の連絡 |
一つの求人媒体にすべての役割を持たせようとせず、ターゲットに必要な情報と接点を組み合わせます。会社のことをまだ知らない人に、いきなり応募だけを求めていないかも確認しましょう。
選考と定着:選ぶだけでなく、選ばれる準備をする
選考では、必要な能力や価値観の適合を確認すると同時に、転職理由や仕事選びで大切にしていることを聞きます。その人に対して、仕事内容、成長環境、評価、チーム、キャリア、理念、将来性を説明し、相互理解を深めます。
入社前には条件、仕事内容、入社日を確認し、不安を解消します。入社後も、初日の説明や教育担当を現場任せにせず決めておくことが大切です。資料では、1週間のフォロー、1か月・3か月の面談、上司とのコミュニケーションを挙げています。
- 面接で確認する基準と、企業側が伝える内容が決まっている。
- 入社前に仕事と条件を確認し、質問できる機会がある。
- 初期教育の担当と、入社後に状況を聞く機会が決まっている。
内定、入社、初期教育、フォロー、活躍、定着までを続けて見ます。入社したことだけを成果にせず、仕事を覚え、組織で力を発揮できる状態につなげましょう。
改善:採用の記録を、次の計画に残す
表示回数、クリック、応募開始・完了、面接設定・実施、内定・承諾、入社、定着を確認すると、どこで流れが止まっているかを探せます。応募数だけを見る状態から、工程ごとに原因を考える状態へ変えることが重要です。
計画
必要な職種・人数・期限と採用方法を決める。
実行
求人、接点づくり、応募対応、選考を行う。
確認
人数や移行状況を確認し、止まっている工程を把握する。
改善
変更する内容を決め、次の採用計画へ反映する。
ターゲット、原稿、対応、教育のどこを見直したかを次の活動に引き継ぎます。採用を毎回の緊急対応として終わらせず、繰り返すほど改善が残る仕組みにすることが、このロードマップの目的です。
実務で使う改善の進め方
8STEPのPDFで現在地を点検し、採用戦略・年間計画とサービス相談へ進む。
資料に基づく改善例
以下は資料の考え方を業務に当てはめた説明用の例です。特定企業の支援実績や成果ではありません。
欠員が出てから以前の求人を流用し、採用活動を毎回やり直す。
経営目的から接点、選考、受け入れ、数値の振り返りまで、未確定の前工程を順番に整える。
現在どの工程にいて、次に何を準備するかを把握できる。
経営者と担当者の役割
- 経営者が決めること
- 将来の組織像と事業計画から、必要な職種・人数・期限・予算を整理する。
- 担当者が行うこと
- 認知、興味、比較、応募の接点を準備し、入社前の確認を教育担当・初期フォローへ引き継ぐ。
よくある質問
採用担当者がいなくても取り組めますか?
資料は採用担当者がいない会社のための実践ガイドです。まず8つの工程を共有し、未決定の項目を明らかにするところから取り組めます。
媒体選びは何番目に考えますか?
経営計画、採用計画、ターゲット、自社を選ぶ理由を整理した後、5つ目の母集団形成で考えます。先に接点の目的を決めると、媒体の役割を整理できます。
採用ロードマップは内定までの計画ですか?
入社・定着と数値分析まで含みます。入社前の説明、初期教育、フォローを設計し、その結果を次の採用計画につなげます。
改善はどこから始めればよいですか?
各工程が決まっているかを確認し、未整備の前工程から整理します。あわせて採用の数値を見て、応募や選考のどこで人が減っているかを確かめます。
関連する実践補足
これまでの解説もあわせて読む
「人が辞めたから求人を出す」
「応募が来ないから広告費を増やす」
「採用できなければ別の媒体へ変える」
このような採用活動になっていませんか。
中小企業では、採用専任者を置けず、経営者・人事・現場責任者が採用を兼任しているケースもあります。だからこそ重要なのが、「今何をするか」ではなく、採用成功までの流れを最初に設計することです。
採用活動は求人掲載だけではありません。事業計画 → 採用計画 → 採用ターゲット → 自社の魅力 → 母集団形成 → 選考 → 入社・定着 → 分析・改善 までが、ひとつの採用活動です。
この記事では、中小企業が採用活動を進める基本的な流れを8ステップで解説します。さらに、「中小企業の採用成功ロードマップ」を無料でダウンロードいただけます。
なぜ中小企業の採用は「人が足りなくなってから」になりやすいのか
担当者の努力不足ではなく、体制と順番の問題であることが多くあります。
中小企業の採用現場では、次のような状況が重なりやすくなります。
この状態が続くと、次のような循環が起きる可能性があります。
中小企業の採用を成功へつなげる8ステップ
このページで一番大事な全体像です。上から順に決めていきます。
採用計画と人物像の設定を起点に、チャネル選定、選考、内定後のフォロー、入社・オンボーディングまでを一連で設計する、という考え方です。どこか一箇所だけを頑張っても、前の工程が決まっていなければ効果が出にくくなります。
STEP1|事業計画から必要な人材を考える
最初の質問は「今、人が足りないか?」だけではありません。
まず、「これから会社をどうしたいか?」から考えます。ここが決まっていないと、採用しても任せる仕事が固まりません。
確認すること
STEP2|いつまでに、誰を、何人採用するか決める
ここが決まると、逆算して準備を始められます。
整理するもの
営業を採用したい
新規営業チーム立ち上げのため、11月までに営業職2名を採用する
※ 上記は書き方を説明するための例です。
採用の目的・人数・期限・予算の決め方をより詳しく整理したい場合は、こちらもあわせてご覧ください。
STEP3|「優秀な人」ではなく、自社で活躍できる人を決める
条件を並べるだけでは、判断基準になりません。
絶対に必要な条件
あると良い条件
価値観・行動特性
さらに、求職者側の状況も考える
STEP4|求職者が自社を選ぶ理由を整理する
会社規模ではなく、自社だから提供できるものを言葉にします。
これだけで終わってしまう
具体的な制度・仕事・数字・社員のエピソードへ変換する
STEP5|採用ターゲットとどこで出会うか決める
認知 → 興味 → 比較 → 応募 の段階ごとに、役割の違うチャネルを置きます。
中小企業の採用では、知名度や採用にかけられるリソースの制約があります。そのため、求人サイトだけに依存せず、複数のチャネルを組み合わせる考え方が紹介されることもあります。
STEP6|応募者を「選ぶ」だけではなく「選ばれる」
面接は、お互いが判断している場です。
STEP7|採用成功を「内定」で終わらせない
入社した人が活躍できるところまでが、採用活動です。
STEP8|採用活動を数字で振り返る
段階ごとに数値を残しておくと、次の採用がゼロから始まりません。
改善のサイクル
中小企業が採用活動を進めるときに押さえたい4つのポイント
規模の差を埋めるのではなく、違いを活かす考え方です。
大手企業と同じ戦い方をしない
知名度や採用予算で正面から競うのではなく、会社規模ではなく自社だから提供できる仕事・経験・環境を明確にします。意思決定の速さや、任せられる仕事の幅は、規模が小さいからこそ語れる魅力になります。
採用担当者だけの仕事にしない
経営・人事・現場でそれぞれ役割を持ちます。採用ロードマップでは、採用施策だけでなく、社内への共有や担当者の役割分担までスケジュールに入れておく考え方があります。
応募数だけを追わない
応募が増えても、欲しい人材からの応募でなければ選考の負担が増えるだけです。ターゲットとのマッチングを見ます。
採用後まで改善対象にする
入社後の定着状況を確認し、次回の採用に活かします。どんな伝え方をした人が定着しているのかは、次の求人原稿の材料になります。
あなたの会社の採用活動は、どこまでできていますか?
YES / NO で答えてみてください。
事業計画から必要な人材を考えている
採用人数と期限が決まっている
採用ターゲットが具体的になっている
自社を選ぶ理由を説明できる
ターゲットに合った採用チャネルを使っている
選考基準と魅力訴求が整理されている
入社後の教育・フォローを設計している
採用KPIを振り返っている
YESの数から見る、次のアクション
YES 7〜8個|採用活動の仕組み化が進んでいます
数値を職種別・チャネル別に比較して、どこに差が出ているかを見ていきましょう。
YES 4〜6個|一部に改善余地があります
NOになった項目のうち、ロードマップのより前にある工程から改善してください。
YES 0〜3個|まず採用活動全体を整理することをおすすめします
求人掲載を増やす前に、STEP1から順に何が決まっていないかを確認するところから始めましょう。
中小企業の採用についてよくある質問
採用専任担当者がいなくても採用計画は作れますか?
作れます。まず経営者・採用担当・現場責任者で、「誰を」「何人」「いつまでに」「なぜ採用するのか」を揃えるところから始めます。専任者の有無より、関係者の認識が揃っているかどうかのほうが影響します。
求人媒体は何を使えばいいですか?
媒体から先に決めず、採用ターゲットがどこにいるかから考えます。ターゲットや採用目的によって、適したチャネルは変わります。
採用活動はどこから改善すればいいですか?
ロードマップの中で、最も前にある未設計の工程から確認してください。ターゲットが曖昧な状態で求人広告だけを改善しても、その後の施策がズレる可能性があります。
まとめ|中小企業の採用を「場当たり」から「仕組み」へ
採用活動は、求人を掲載することだけではありません。次の流れを、一連のものとして考えることが重要です。
最初から完璧な仕組みを作る必要はありません。まず現在、「8ステップのどこまでできているのか」を確認するところから始めてください。
資料請求フォーム
希望する資料を確認し、必要事項をご入力ください。資料は選び直せます。
監修・運営会社
採用支援・SNS採用・人事支援を行う株式会社アイオネストが、自社資料「中小企業の採用成功ロードマップ」をもとに整理しています。
